子育て(得)情報

「あおもり子育てネット」の過去記事を再編集して掲載しています。

発達障害をみんなで考えてみよう

青森県発達障害者支援センターの職員の方から伺った、気になる子へのアプローチの体験など。

お子さんとうまくコミュニケーションがとれないと悩んでいるお母さんがいました。目が合わない。自分に感心をもってもらえない等々・・。
でも、めげずに子どもに絵本を見せながら、繰り返し繰り返し言葉をかけ続けたそうです。するとある日子どもが絵本を指さし、関心を示し始め、そこから色々な部分で、少しづつ変化が見えてきたそうです。今ではその子にとって絵本は、“楽しめるアイテム”の一つになっているようです。

そのお母さんは、子どもが「聞いていないのかな?反応が弱いな・・。」と思いながらも、諦めなかったことが良かったのかな、と言っていました。何事も押さえつけて無理強いすれば、反対に悪影響かと思いますけど、子どものそばでお母さん自身が大好きだという絵本を楽しみながら、言葉をかけ続けたのが良かったのでしょう。
偏りがあって、限定したことにしか興味がもてないという場合もあります。お母さんは色々な興味を広げていってあげるといいと思います。
その子は動物が好きだったんです。お母さんがある時それに気が付いたんです。お母さんは、色々な種類の動物の人形をその子に渡したんだそうです。
キリンでも色々なキリンがいる、ということを図鑑を見ながら教えたり、「キリンがこれ位の大きさだったら、人間はこれくらい。」とか・・。
子どもを良く見る、ある意味観察することはとても大切なことだと思います。そこから小さなことでも発見があり、その子にあったもの、興味があるものがわかってくると思います。それを一つのアイテムとして、諦めず関わりを続けていく。

お母さんは子どもに無視されると、悲しくて関わらなくなる。いくら抱っこしようとしても逃げてしまう子ども、目を合わせないし笑わない。そうするとお母さんも辛すぎて関わらないのではなく、関われなくなってしまうんです。
私が自閉傾向の子どもと接するときは「ああ、この子は恥ずかしがり屋さんなんだなあ。」って思って接するようにしてるんです。本当は違うんですけどね・・・。
恥ずかしいから目を合わせない。笑わない。そんな風に考えると「恥ずかしがり屋さん」に「こっちむいてっ!!」とか「~しなさいっ!!」なんて無理にしないでしょう?
そばでもじもじしている子どもには、やさしい声で話しかけたり。
その子の個性として、私たちが理解できるように考え方を「変換」して、「ああ、この子はこんな感じなんだなぁ。」とか・・・。そして追体験したり、共感したりするようにすることも大切でしょう。

また、違うお母さんは「笑顔って大事だなって気が付きました。」と言っていました。
「子どもを育てるのが、こんなに辛いのは何でなんだろう」って、育てにくい子どもに対して色々な働きかけをしてみたけど、なかなか反応がでなっかた頃のことです。お母さんは自分自身を客観的に分析してみたら「こんなに泣いたり、怒ってばかりの顔ではダメだ。」って思ったそうです。意識的に“笑顔”で子どもに接っするように心がけてみたら、子どもにも変化が出てきたそうです。
私自身も、ステップに来てくれる子ども達に笑顔で接すると、「なついてきてくれる」というふうに感じます。

この前お会いした自閉症のお子さんをもつお母さんは、もうある意味乗り越えられたんでしょうね。お子さんと家族とが置かれている、“この状況”を楽しんで生きている。お子さんとのことを「こんなことがあって、おもしろくってさあ・・。」とか。自分の生き方、考え方を180度変えて、楽しめるように変化させてきたんですね。

みんながこうして“育てにくさ”や“自閉症”を乗り越えて、楽しんで生きて行けるようになってほしいですね。それにはまず“社会”が変わることが大切だと思っています。
将来的にも子ども達をしっかりサポートしてくれるという様な社会でなければ、親も変わっていけないですよね。
今のようにちょっとヘンだ・・ってなった時に、いじめられたり、つまはじきにあうような社会のままだったら、ちょっとした自閉性が出たとき「この子はどうなっちゃうんだろう・・。」って暗くなっちゃいますよね。それをあんな風にからからと、自閉性を楽しめるなんて、ほんとにすごいですよね。


大学卒業後、他人とうまくコミュニケーションがとれずに就職できなかった方がいました。その後、その方は6年間ひきこもり状態が続いたのですが、原因は「発達障害による、コミュニケーションの困難」でした。
本人も悩んでいるけどどうしようもできず、親御さんもまた悩み続けていました。
親の子へ対する思いは深い。子どもを思うがあまり、何とか社会に出したいという気持ちが先に立ってしまい、親御さんの思いとは反対に空回りの日々でした。
ひきこもりは解決を焦ってはいけないし、きっかけの原因を探ってはいけない。親御さんは過大評価せず、本人は現実を見てほしい。

このケースの場合、ご両親揃って面接にこられた頃から子どもさんにも変化が見られるようになりました。自分の部屋から出てこられなかったのに、1Fに降りてこられるようになった。家族とテレビを見られるようになった。大きな変化です。このとき大切なのは「就職の話などしない」ということ。テレビを見たのなら、テレビの話で終わりにすることです。一緒にいることを大事にしてください。

そんなことをくり返している内に、本人からアルバイトの話がでました。またまた大きな変化です。でも焦って簡単にアルバイト先を決めてしまわず、ゆっくり時間をかけて進めることも大切です。それは、アルバイト先に障害に対する理解がなければ、またひきこもりのきっかけになってしまうこともあるからです。
このように本人へ直接働きかけなくても、家族への支援だけで本人がゆっくり動き出せることにもつながっていくんですね。
  • -
  • -